
レナードは、アメリカ合衆国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office)のコントラクター(請負業者)としてワシントンDCで特許翻訳をしていました。
特許翻訳って本当に難しいんです。
だから、『翻訳ソフトを使って楽に仕事をしたい!』なんて思ったこともあります。
でも、当時は良い翻訳ソフトはありませんでした。
2010年ぐらいまでは機械翻訳を使うよりも、下手くそでも自分で訳した方が良かったレヴェルだったと思いますが、ここ最近は精度がだいぶ上がってきています。
英語も日本語もできるパーフェクト・バイリンガルの方でも、翻訳する量がたくさんある時には、ゼロからコツコツと自分の英語スキルのみで翻訳をして行くより、まずは機械翻訳をザーッとさせて、おかしな箇所を見つけて部分的に修正をしていく方が効率が高いです。
それでは、DeepLの翻訳を他の翻訳と比べてみましょう!
アメリカのポンペオ国務長官の新型コロナウィルスに関する発言をテキストとして使ってみます。
(原文)
We strongly believe that China didn’t report the outbreak of the new coronavirus in a timely fashion to the WHO.
Even after the CCP did notify the WHO of the coronavirus outbreak, China didn’t share all of the information it had.
▶DeepL翻訳
我々は、中国が新型コロナウイルスの発生をWHOにタイムリーに報告しなかったことを強く信じている。
中国共産党がコロナウイルスの発生をWHOに通知した後も、中国は持っている情報をすべて共有していなかった。
▶在日アメリカ大使館のTwitter(人間による翻訳かは不明です。)
中国が新型コロナウイルスの発生を適時にWHOに報告しなかった、と米国は強く確信している。
中国共産党がWHOに報告した後でさえ、中国は持っていたすべての情報を共有しなかった。
▶Google翻訳
Chinaは新しいcoronavirusの発生をWHOにタイムリーに報告しなかったと強く信じています。
CCPがWHOにコロナウイルスの発生を通知した後でも、中国はそれが持っているすべての情報を共有しませんでした。
いかがですか?
DeepLとアメリカ大使館の翻訳は、どちらもいい感じですね。
細かく見てみます。
1.
アメリカ大使館はtimelyを忠実に「適時」と訳していますが、DeepLはそのまま「タイムリー」としていますが、訳さない方がかえってしっくりきますね。
英単語なのに訳さないほうがいい時があるって面白いです。それだけ英単語が日本に浸透している、という現れですね。
2.
DeepL⇒「中国は持っている情報をすべて」
アメリカ大使館⇒「中国は持っていたすべての情報」
DeepLはhadを「現在形」で訳していますが、アメリカ大使館はきちんと「過去形」で訳しています。でも、現在形でも言葉の違和感はありませんよね。
3.
DeepL⇒「中国共産党がコロナウイルスの発生をWHOに通知した後も」
アメリカ大使館⇒「中国共産党がWHOに報告した後でさえ」
アメリカ大使館は’of the coronavirus outbreak’を訳していませんね。
しかし、これは前文に同じ単語が既に出てきているから、あえて省略しているとも考えられます。そうだとすると、これはアメリカ大使館の誰か″人間″が翻訳していることになりますね。
結果
DeepLはアメリカ大使館の翻訳とほぼ同等の精度。
ちなみにGoogle翻訳も読んでみて意味はまぁわかるのでそんなに酷くはないですが、上記2つのあとだと何だかちょっとわかりにくいなぁと思えてしまいます。
例えば、なぜかChinaとかCCPを翻訳してくれていません、、、。
今回あげた一つの例だけでは、DeepLの翻訳精度はまだわからないので、今後もその能力を検証していきたいと思います。
以上、今回も読んで頂きありがとうございました。
レナードでした。
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